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「Yes!プリキュア5」 おすすめの3本

以前書いたものの第4弾。

 

今回はシリーズ第4作の「Yes!プリキュア5」のおすすめの3本を書く。

 

ちなみに過去のものはこれ。

nave-janne7019.hatenablog.com

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1.第5話「プリキュアの資格」

今作で最も語るべきところの多い回だと思っているのがこの話だ。

歴代プリキュアの中で、プリキュアに変身しようとして変身できなかった珍しい回(今年の「HUGっと!プリキュア」で輝木ほまれが登場するまでは唯一だった)であり、それを通して「プリキュアとは何者か」を示すのがこの話。

 

この回では、5人目のプリキュアと目された水無月かれん(オープニング映像では変身後のキュアアクアで登場済み)が変身に失敗する。

もちろん、かれんは次の回で無事キュアアクアへと変身するわけだが、今回、次回ともに、なぜかれんが変身できなかったのかについて直接誰かが答えを言ってはくれない。

ただし、理由については直接的ではないものの、本編を観れば多くの人が共通解を得られるようになっている。

おそらく、かれんがプリキュアになれなかった理由は「弱いみんなを助けるために私が戦わなければいけない」という屈折した使命感をもって変身しようとしたからだろう。

そしてそこに、サブタイトルである「プリキュアの資格」が関わってくる。

 

プリキュアシリーズのファンにとっては常識であるが、そもそもプリキュアはヒーローではない。

もちろん、「ヒーローではなくヒロインだ」みたいな下らない話ではない。

プリキュアは崇高な使命のために戦うのではなく、自分の身近な大切な存在のために自らの意志で戦うという意味である。

だからこそ、「ふたりはプリキュア」のED「ゲッチュウ!らぶらぶぅ?!」にはこんな一節があるのだ。

 

地球のため、みんなのため それもいいけど 忘れちゃいけないこと あるんじゃない!?の!

 

プリキュアは、自らのことを大切にすることを忘れてはいけないのだ。

同じ東映アニメーション制作のアニメ「ドラゴンボールZ」の劇場版には「龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる」というタイトルがあったが、これは孫悟空が世界レベルのヒーローだから許されるタイトルなのだ。 

プリキュアシリーズという世界観ではこの考えは通用しない(後に「ヒーローとしてのプリキュア」と、その限界を描いたのが「ハピネスチャージプリキュア!」だと思っている)。 

 

この価値観は現在まで受け継がれており、今年の「HUGっと!プリキュア」ではヒーローなのだからと自分の気持ちを抑えた愛崎えみるがミライクリスタルを一時的に失った。

15年という時間の中で変わり続けるプリキュアシリーズの変わらぬ信念をここに見ることができる。

 

脚本の清水東さんは初期シリーズでの貢献がすごいと一連の記事を書きながら再認識させられる。

演出の岩井隆央さんもこの脚本の魅力を存分に引き出してくれいている。

プリキュアという存在について強く考えさせてくれる傑作回。

  

2.第11話「のぞみとココの熱気球」

この回は、今作の方向性を決定づけた回だと思う。

 

この回では、テストの成績が悪すぎる夢原のぞみが他のメンバーから叱責を受け、ナッツハウスを飛び出して行き、それを追いかけたココがのぞみと話をするというものだが、そこで登場するのが熱気球というわけだ。

ココはのぞみの持つ可能性を熱気球に例えて、のぞみはまだ空気を入れているところだと語りかける。

色々なことを学ぶことで気球は膨らみ、いつか将来の夢ができた時に高く飛べるようになる。

テスト勉強も気球を膨らませる方法なのだと言う。

 

このシーンでのココの言葉の説得力はどこから来るのかと思うほど説得力に満ち溢れている。

この回から、今作には欠かせないココとのぞみの関係が深まっていくのだが、そりゃあこんなこと言われたら好きになっちゃうと思う。

きっと当時は全国の大きなお姉さまや幼女たちを虜にしたのだろう。

 

のぞみの気球は大きく膨らみ高く飛ぶことになることは、この先の物語を見れば想像に難くないのだが、「夢」「ラブロマンス」という今作の特徴はここが出発点であり、素晴らしい出来である今作の根幹をなす部分であるこの話が傑作なのは当然だといえる。

 

脚本は成田良美さん。

今作のシリーズ構成も務める彼女は、プリキュアシリーズを語るには欠かせない存在

だし、多くの子供たちが彼女が脚本を手掛けたアニメを見て育っていることを考えると、ものすごい人だと思う。

演出は5話に続いて岩井隆央さん。

岩井さんはアクションバリバリというよりは心の動きを重視した演出なのかもしれないとふと思った。

子供と一緒に見たいプリキュアのお話という括りなら歴代でもトップクラスに位置する素敵な回。

 

3.第24話「新たなる5人の力!」 

プリキュア5シリーズ」を語るうえで外せないのがこの回だ。

ふたりはプリキュアシリーズ」が終わり、プリキュアが5人になり、単独変身が可能になったとしても、手をつなぐことの重要性は変わらない。

 

前回、ふとしたことから不和に陥ってしまったプリキュア達。

その隙を突かれて、カワリーノに絶望の仮面を着けられてしまう。

絶望の先に待っていた現実を忘れた穏やかな世界で過ごす5人の中で違和感を持つのはやはりのぞみだった。

 

そのきっかけになるのが前回ココが作ってくれたキーホルダー(のぞみが壊してしまったビーズ飾りを使ったもの)だった。

のぞみはこのキーホルダーを渡された時に、「わざわざキーホルダーにしなくても」と言い、すぐに「わざわざ、キーホルダーにしてくれたんだ」と言い直す。

この短いシーンが今回の話で絶望の世界を打ち破るフリになっていると思うのだが、どちらにおいても、のぞみはそこにある現実を真正面から見つめている。

だからこそ、キーホルダーに隠れたココの優しさに気づき、穏やかな世界に潜む違和感に気づくことができるのだ。

 

そして、5人が絶望の仮面を打ち破るシーンは歴代でも屈指の名シーン。

今作で初めて手をつないだ5人。

前年の「映画ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!」の名台詞を彷彿とさせるやりとりは実に感動的。

ただ手をつなぐ。

それがこれほど感動的なのはプリキュアシリーズの積み重ねたものが大きいからだ。

 

今回の話でのぞみと同じくらい重要な役割を果たしているのがココだと思う。 

のぞみは歴代プリキュアの中でもトップクラスのカリスマとして扱われることが多いキャラクターである。

しかし、そんなのぞみであっても現実を受け止めることができるとは限らないのは11話の行動を見ればわかる。

今回の話でのぞみが絶望の仮面を打ち破るためには、ココという存在がいなければいけなかったのだ。

のぞみが逃げ出したくなった時、無理やり引っ張ったり、強く叱責するのではなく、優しく寄り添い導いてくれる存在がココなのだ。

 

脚本は当然第11話と同じ成田良美さん。

シリーズ構成が重要な回で素晴らしい脚本を書く。

当たり前といえば当たり前だが、これが難しい。

演出は今作のシリーズディレクターも務める小村敏明さんと、今作で演出デビューした松本理恵さん。

 

小村さんは前年の「ふたりはプリキュア Splash Star」から3年連続でシリーズディレクターを務めることになるのだが、その実力がいかんなく発揮されている。

また、この大物2人と名前を連ねる松本さんも、後に「映画 ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー・・・ですか!?」や「京騒戯画」などの素晴らしい作品を手掛けており、その天才っぷりは有名。

鷲尾天プロデューサー時代のプリキュアシリーズの持つ魂を感じることができる歴代屈指の大傑作回。

 

終わりに

「Yes!プリキュア5」のおすすめの3本について書いたが、前半の回だけになってしまった。

後半にも素晴らしい回はたくさんあるので、ぜひとも全話見ていただきたい。

メインキャラクターが増えたことによって、キャラクターが好きになるとハマれるという人に対しても遍く訴えかけるパワーがあると思う。

なにせ、プリキュアシリーズが今日まで続いているのは、商業面では今作の貢献が非常に大きい。

次は「Yes!プリキュア5GoGo!」について書こう。