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「Yes!プリキュア5GoGo!」 おすすめの3本

以前書いたものの第5弾。

 

今回はシリーズ第5作の「Yes!プリキュア5GoGo!」のおすすめの3本を書く。

 

ちなみに過去のものはこれ。

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1.第18話「みんなに届け!うららの歌声」 

前作と比べて男女のキャラクターの間での関係性が描かれることの少ない今作において、印象的な春日野うららとシロップの関係。

その中でも一番好きなのがこの回だ。

 

うららとシロップの屋上での会話は、この作品を通して最も印象的なシーン。

5人の中で唯一の1年生であるうららだが、それゆえに夢原のぞみ夏木りん秋元こまち水無月かれんのような距離感を持った相手がいなかった。

屋上のシーンでは、うららが敬語で話している時には空が曇っていて、うららの反応も画面から目が見切れて表情が分かりにくくなっている。

それが、うららがタメ口で話すようになると雲は晴れ、うららの顔全体が映るようになる。

うららとシロップの距離が非常に丁寧に描写されており、何度見ても感心させられる。

 

また、のぞみ達も登場シーンは少ないもののうららとの関係の強さはしっかりと描かれている。

序盤でシロップが励ましに行かないのぞみたちに怒るシーンで安心していられるのは、前作で1年間積み上げたものの大きさゆえだ。

 

そして、最後に流れる名曲「ツイン・テールの魔法」をバックに繰り広げられるうららとシロップのやり取りとシロップ乗車券。

これこそが「プリキュア5シリーズ」に求めていたものだと思わされる。

 

脚本の成田良美さんはプリキュア界のレジェンドだが、キャラクターの関係性を描くのは特に優れた脚本家だと思う。

演出の大塚隆史さんもやはりプリキュア界のレジェンド。

キャラクターの関係性をアニメーションという媒体でこれでもかと表現した珠玉の回。

  

2.第36・37話「危ない!ファイブDEチャンス!(前編)(後編)」

この回は、公式に前後編に分かれているが1つの回として扱わせもらう。

テレビシリーズにおけるかれんの物語の集大成だと思っている。

 

前編では、ムカーディアとホシイナーによる理不尽ながらもテンポの良いバラエティ番組のような内容が楽しめる。

前編だけ見ると完全にギャグ回である。

冷静沈着なイケメンであるムカーディアの謎のハイテンションっぷりは必見。

しかし、そんな中でものぞみ、りん、こまちの3人が敵にとらえられていたりする(ただし、そのとらえられ方もギャグちっく)。 

 

後編では、ついにかれん以外の全員がとらえられてしまう。

かれんが負ければ終わりという中、与えられた課題はコイントスをしてその裏表を当てるというもの。

本来出るはずだった番組の最後に必ず行われるゲームで、かれんは練習で1度も成功したことがない。

しかも相手は何でもありのムカーディアとホシイナー。

そんな圧倒的不利な状況の中で、しかしかれんは偶然起きた出来事によって勝利を掴む。

この時のかれんの喜びっぷりは、シリーズ通してもここだけでしか見れない。

そして、戦いの後にのぞみ達から感謝の言葉を言われたかれんが、「みんなの気持ちが勝たせてくれたの」と言い、気が抜けたのかへたり込んでしまうのがこの回の見所。

初登場時には、1人で何でもできると思っていて他人の前では弱いところを見せることのできなかったかれんが、こんなことを言い、こんな姿を見せられるようになる。

これだから、長いスパンで見られる作品は面白い。

 

また、この回の裏主役といえるのが美々野くるみだ。

もともとかれんが出演に乗り気でなかったため、5人目は彼女の予定だったのだが、優勝賞品が5人の名前が刻まれた優勝トロフィーだと知り、仮病を使って辞退する。

くるみも初登場時は自己中心的なキャラクターだったが、1年以上の時を経て他人のために身を引くことができるようになった。

この決断がくるみにとって軽いものでないことは、5人を見るくるみの表情が曇ることからもはっきりと分かる。

そして、この回を締めるのは届い優勝トロフィーにくるみの名前も刻まれていることを5人がくるみに見せるシーンだ。

これには、かれんの執事である坂本さんが一肌脱いでいるのだが、くるみの成長を悲しい結末で描かないところも素晴らしい。

やっぱり最後は笑顔で終わりたいものである。

 

個人的に、今作はいろいろな意味で難点の多い作品だと思っているが、この回に関してはギャグあり、アクションあり、感動ありと隙が見当たらない傑作だと自信を持って言える。

 

脚本は清水東さん(前編)と佐藤勝一さん(後編)。

清水さんの実績に関しては言うに及ばず。

佐藤さんは「プリキュア5シリーズ」にのみ脚本で参加しているが、2作で合計14話を執筆しており、今シリーズへの関わりはとても深い。

この2人だからこそこの集大成的な回が作れたのだろう。

演出は松本理恵さん(前編)と座古明史さんおよび大塚健さん(後編)。

この3人でつまらないわけがないのは分かってもらえるはず。

プリキュアシリーズの魅力であるバトル、ギャグ、ストーリー、キャラクターといった要素のすべてがハイレベルに詰め込まれた回。

 

3.第46話「絶体絶命!没収されたプリキュア5!」

今作のテーマは何かというと、私は「理解しあえないこと」だと思っている。

そのテーマが強く出る終盤の中でも、最も好きなのがこの回だ。

 

この回では、アナコンディとフローラの2人の館長への想いが描かれる。

アナコンディは館長を愛するが故に、フローラからの館長への手紙を奪いひた隠しにしてきた。

そして、それが館長に知られると命を懸けてプリキュアを捕らえ、エターナルのコレクションに加えることに成功した。

フローラある想いを込めて館長に手紙を送る。

その手紙の中に入っていたのはバラの種だった。

 

この回の残酷な所は、この2つの想いが館長には全く届いていないという所だ。

アナコンディが命を懸けてプリキュアを捕らえても、館長は視線一つくれない。

命を懸けて止めようとしても、触れることすらできない。

フローラの送ったバラの種は価値のないものとされ、捨てられてしまう。

 

しかし、アナコンディに関しては、自分が部下にやってきたことをそのまま返されただけなのだ。

それでもなお、この回でアナコンディには哀しみを感じずにはいられない。

それはなぜだろうか?

エターナルに限らず、鷲尾天プロデューサー時代の5作品において、敵の持つ歴史というものは徹底的に描かれてこなかった(霧生満と霧生薫がいると思うかもしれないが、彼女たちは最終的にプリキュアの味方になって生存しているなどあまりにも異色すぎるため、例外とさせてもらう)。

それは、日常を破壊しようとする敵を倒すという当時のプリキュアの構図において不必要だったからだと思われる。

しかし、アナコンディはシロップの過去が少しずつ明らかになる過程で、その歴史が少しではあるが描かれている。

そこで描かれる思いは、アナコンディ自身が言うようにミルクのココに対する想いによく似ている。

少し何かが違えば、アナコンディはミルクのような想いを持つことができたのかもしれない。

そんな事実によって、単なる悪い奴であった過去シリーズの敵たちには無かった味わいが生まれているのではないか。

 

プリキュアシリーズは、次作の「フレッシュプリキュア!」からプロデューサーが交代し、それに伴ってその作風も大きく変化することになる。

今回の話には、その革命前夜のような匂いを感じずにはいられない。

敵の持つ悲劇性、分かり合おうとしても分かり合うことのできない哀しみ、 既に取り返しのつかないところまで行ってしまった闘い。

それらは次作で救済が行われるのだが、今作では救われることなく終わりを迎える。

それが今回の話全体を覆う哀しみを生み出しているのだろう。

 

脚本は第37話と同じ佐藤勝一さん。

37話に負けず劣らず素晴らしい脚本。

演出は今作のシリーズディレクターも務める座古明史さん。

キレッキレのアクションは必見。

既存のプリキュアシリーズの持つ限界を示した回。

 

終わりに

「Yes!プリキュア5GoGo!」のおすすめの3本について書いたが、実はプリキュアシリーズの中で好きな順位をつけるなら、この作品が一番後ろだったりする。

しかし、その作品ですらこれほど素晴らしい回があるのだから、プリキュアシリーズの出来の良さは恐ろしいレベルなのである。

次は「フレッシュプリキュア!」について書こう。