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「フレッシュプリキュア!」おすすめの3本

以前書いたものの第6弾。

 

今回はシリーズ第6作の「フレッシュプリキュア!」のおすすめの3本を書く。

 

ちなみに過去のものはこれ。

「ふたりはプリキュア」 おすすめの3本 - 鍋風呂

「ふたりはプリキュア Max Heart」 おすすめの3本 - 鍋風呂

「ふたりはプリキュア Splash Star」 おすすめの3本 - 鍋風呂

「Yes!プリキュア5」 おすすめの3本 - 鍋風呂

「Yes!プリキュア5GoGo!」 おすすめの3本 - 鍋風呂

 

その前に、今日2019年2月1日は「フレッシュプリキュア!」放送10周年の日なのだ!

実は、この日にこれを書くことはこのブログを始めた時から計画していた。

なぜなら、「フレッシュプリキュア!」こそが私がプリキュアシリーズで1番好きな作品だからだ。

なので、今回は普段より少しだけ長くなる。

 

1.第22話「せつなとラブ あなたがイースなの!?」 

今作で最も有名な回といえば、桃園ラブキュアピーチ)とイース東せつな)の雨中の決闘が行われた23話だろう。

しかし、個人的にはこの22話の方が胸に響くものがある。

 

イースは、ナキサケーベを生み出すカードを使うたびに受けるダメージでボロボロになり、 残り1枚のカードを使うことに耐えられるのかという所まで来てしまう。

それでもなお総統メビウスのために戦おうとするイースとしての心と、ラブと触れ合う中で芽生えてきたせつなとしての心の間で揺れる模様は観ていて胸を締め付けられる。

コンサート会場へ向かうシーンでは、そんなイースの支えとなるものがメビウス以外にないことが描写される。

その後の医務室のシーンでは、自分の中に生まれている感情が理解できずに戸惑うせつなが描かれる。

医務室を飛び出しながら「私は・・・私は・・・ラビリンス総統メビウス様がしもべ!」というイースの胸元に揺れる四葉のクローバーのペンダント(7話で手に入れたラブとせつなの友情を象徴するアイテム)が彼女の揺れる心を強く伝える。

 

スイッチオーバーのシーンは、プリキュア達の変身とは対照的に暗い中で後ろ姿だけしか描かれない。

戦闘中も、攻撃を食らうプリキュア達は多少コミカルに描かれるのに対して、イースのダメージは深刻そのものといった描かれ方をされる。

この回では(というよりこの近辺の話において)イースはとことんまで孤独を強調される。

ナキサケーベの生み出す嵐を前にたたずみながら、命が尽きても構わないと言うイースの姿はあまりにも悲壮感に溢れている。

 

そんなイースの心の内を知らなくとも、助けに来るのピーチのヒーローっぷりがまたかっこいい。

イースのもとへたどり着いたピーチの顔は優しさに満ちている。

そこでのピーチの言葉はプリキュア新時代の価値観を端的に表した名言だと思う。

 

私、すっごく怒ってるんだからね。
みんなを怖がらせて、コンサートも台無しにして、こんなの絶対に許せない。
でも・・・あなたが泣いているから。 

 

イースのしたことは許されることではない。

けれど、イース苦しんでいることもまた確かな事実なのだ。

そのどちらも受け止め、向き合おうという想いがこの言葉に現れている。

 

しかし、この回ではイースはピーチの想いを受け入れず、自らの正体を明かすことになる。

イース=せつなであることが分かった時に揺れるピーチのハート形のイヤリングと、ラストカットでせつなが踏み壊す四葉のクローバーのペンダントが、ついに引き返せないところまで来たことを感じさせながら23話へと続くことになる。

さらに、予告でのラブの言葉がまた素晴らしい、せつなへの想いの強さとそのうえで下す決断に伴う意志の強さがたった数十秒の中にギュッと詰まっている。

ぜひとも予告もしっかり観てもらいたい。

 

脚本の成田良美さんは、私より若い子ならほぼ間違いなく脚本を手掛けた作品を見ているだろう。

今回出てくる素晴らしいセリフの数々はもちろん、それを織り込んだうえでこれほど素晴らしいストーリーを展開できる実力は流石の一言に尽きる。

演出の松本理恵さんは天才。

イースの揺れる心と孤独感、ラブとの関係性を圧倒的な演出力で伝えてくれる。

そして、今回は作画監督にも言及させてもらう。

作画監督の河野宏之さんの貢献度も今回はかなり高いと思う。

得意のアクション面での貢献ははもちろんのこと、河野さんの独特の絵柄でなければイースの悲壮感は伝えきれなかったのではないかと思う。

楽しい気分になれる回ではないかもしれないが、これほどに心に刻まれる回はそうそうあるものではない。

イースの悲壮感、ラブの優しさ、2人の関係に決定的なダメージを与える引きと最初から最後まで画面から目を離すことができないほどのパワーがあるのに、イースの感情はこれ以上ないというほど丁寧に描かれており、観れば観るほど深く心に突き刺さってくるプリキュアシリーズ史上でも屈指の大傑作回。

 

2.第26話「4つのハート!私も踊りたい!!」

今作のテーマの一つである「ダンス」を、新しくプリキュアになった東せつなキュアパッション)が3人の仲間になる過程と絡めて描く今回は、山吹祈里キュアパイン)の想いが胸に沁みる。

 

しばらくプリキュア活動で忙しかったラブたちが久しぶりにダンスの練習をすると、ブランクのせいで上手くいかない。

そこでミユキさん(ラブたちのダンスコーチ)は夏合宿を企画する。

序盤はキャラクターのやり取りがが非常に軽妙で面白い。

数話前まで4人目なのでは?と思われていたミユキさんが、せつながプリキュアになったことを知らずにプリキュア加入を断ったり、アバンの終わりに意気揚々とせつなにダンスを見せようとしたラブたちがAパートの始めでダメダメモードだったり、安定のアホっぷりを披露するウエスターだったり、とにかく前回までの重めの展開から一転楽しい気分にさせてくれる。

 

中盤以降は、3話での祈里の想いを知っているからこそとても素晴らしく感じられる。

ダンスに興味があるのに一歩を踏み出せない経験がある祈里だからこそせつなの気持ちは分かるし、それを押し付けすぎないのが祈里の美点なのだ。

2人だけでダンスを踊るシーンのあの優しい空気感は祈里でなければ作ることができなかった。

 

そして、ラストで祈里が内緒で作っていた練習着をせつなが着てくるシーンがまた素晴らしい。

祈里は練習着を家に置いて来てしまったため、せつながアカルンの力で瞬間移動して取りに行くのだが、戻ってきた時にはそれを着ている。

祈里が歩み寄るだけでなく、せつなからも歩み寄っていることがこの行動から伝わってくるのだ。

せつなは、プリキュアシリーズ史上初の敵側からプリキュアになったキャラクターだが、それゆえか後の同じ境遇のキャラクターと比べても圧倒的に試練が多い。

せつながその試練を乗り越えていったことから分かるように、彼女は決して弱くない。

優しく、そして強いのである。

祈里の優しさだけでなく、せつなの持つキャラクター性をもしっかりと感じさせてくれるのだ。

 

今回は、さらにエンディングまで含めての1本である。

四葉のクローバー(ラブたちのダンスチーム名)結成の回のエンディングで流れるのはこの回から変わった新エンディングテーマにして、個人的プリキュアエンディングテーマNo.1の「H@ppy Together!!!」である。

前回までのエンディングテーマ「You make me happy!」が3人でのダンス映像だったのに対して、今回からは4人でのダンス映像になる。

エンディングでもせつなの加入を味わうことができるという仕掛けなのだ。

 

脚本の山下憲一さんは、今作以降「魔法つかいプリキュア!」まで脚本で参加することが無くなってしまうのだが、今作では脚本を担当した8本全てがとても素晴らしい回になっている。

演出の三塚雅人さんは後に「魔法つかいプリキュア!」のシリーズディレクターを務める実力者。

祈里とせつなの空気感はもちろん素晴らしいが、バトルシーンでの楽しくもかっこいい演出も見所だ。

ストーリー性、ギャグ、キャラクターといった今作の魅力の多くがいっぱいに詰まっていながら、しっかりと1本の物語として成立している。

プリキュアシリーズには名前の呼び方が変わる回が他にもあるが、その中でも最高クラスの1本だと自信を持って言える。

 

3.第33話「美希とせつなのこわいもの!」

蒼乃美希キュアベリー)は私が最も好きなプリキュアだが、彼女の魅力は器用さと時にそれをかなぐり捨てることのできる泥臭さだと思っている。

美希が主役の回はどれもこの魅力が存分に発揮されていると思うのだが、今回はせつなの想いと相まってより輝いている。

 

序盤に描かれるのは、ひょんなことからせつなと2人でショッピングに出かけることになった美希の気まずさだ。

プリキュアになり、四葉のクローバーにも加入して久しいせつなだが、よくよく考えると美希は2人きりになったことがないと気づく。

ラブや祈里よりも精神的に大人な美希だからこそ、そんな状況の中でも上手く立ち回っていたのだろうが、2人きりとなればそうはいかない。

この気まずさといったら、観ているこちらにまで伝わってくるほどだ。

ショッピングに一区切りついたころには、2人の間には距離が生まれてしまう。

 

そこで登場するのがタイトルにもある美希のこわいもの、タコだ。

タコを見た美希は悲鳴を上げてその場を走り去る。

それを追いかけていったせつなとの階段の踊り場でのシーンが素晴らしい。

タコにおびえてうずくまる美希に背中合わせで座るせつな。

そこでの会話で今日のせつなの行動の裏にあった想いを知ったことで、自分のこわいものについて話す美希。

このエピソードがコミカルに描かれており、話した美希自身も「今、情けな~いって思ったでしょ?」と聞くが、せつなはそんなことはないという。

そこで美希がせつなのこわいものは何かと尋ねるとせつなはこう答える。

 

私が一番こわいのは・・・あなたたちがいなくなること 

 

この言葉を言った時、せつなの顔は見えないようになっている。

それゆえに、より言葉の重みが伝わってくるようになっている。

 

そんな中登場する今回のナケワメーケはタコをベースにしている(ウエスターがタコ焼きを食べて美味しかったため)。

そのため、最初美希は怖くて戦いに行くことができずにパッション単独で戦うことになる。

当然のごとくピンチになるのだが、それを見た美希は歯を食いしばって立ち上がる。

普段の彼女ならば決して見せようとはしないであろう姿を、いざというときに見せられるのが美希の魅力である。

助けに来たベリーに対して、ウエスターはせつなはまた裏切るかもしれないと言う。

それに対して美希が返すのはせつなを信じるというものだった。

プリキュアシリーズの中でも今作の特徴的なのが、戦闘中に敵が言った言葉にプリキュア達が反論する(いわゆるお説教)展開が少ないことなのだが、それゆえに今回の美希の言葉は胸に響く。

見事にナケワメーケを倒した美希は、後日せつなが選んでくれた服をお披露目して今回は終わる。

 

脚本は22話と同じ成田良美さん。

プリキュアシリーズで後にも先にも今回だけの新キャラ加入によって発生する気まずさを題材にした脚本で、これだけのレベルのものを書けるのはキャラクターの関係性を描く実力の高い成田さんだからこそ。

演出の織本まきこさんはプリキュアシリーズでの演出回は片手で数えられる程度しかないが、どれも安定した面白さ。

今回丁寧に描かれている、美希とせつなの間に流れる空気の変化は素晴らしいの一言に尽きる。

美希とせつなの関係性の変化が今回の最大の見所だとは思うが、もちろん「フレッシュプリキュア!」らしくコミカルな展開もあり、これだけのものを無理なく20分強の尺に収めてしまうのは驚異的と言える。

プリキュアシリーズ史上でも屈指の「ふたりの関係性」を描いた大傑作回。

 

終わりに

フレッシュプリキュア!」のおすすめの3本について書いた。

書いてから気づいたのだが、ちょうど1本ずつラブ・美希・祈里の3人とせつなの関係が大きく変化する回を選んでいた。

やっぱり私がプリキュアに求めているものって関係性の物語なのかもしれない。

それにしても、「フレッシュプリキュア!」は素晴らしい回が多いので選ぶのに苦労した。

惜しくも3本に入らなかった回の中にも、見た人の心に残すもののある回はたくさんある。

プリキュアシリーズの新境地を切り開いた今作は、ストーリー・ギャグ・音楽・演出・感動・恋愛と様々な魅力が詰まっていて、タイトルの通り10年経った今でも全く色あせないフレッシュさを持っている。

プリキュアシリーズを見たことのある人はもちろん、これからプリキュアシリーズを見てみたいがどれから見ればいいか分からないという人にもおすすめなので、見たことがないという人にはぜひとも見てもらいたい。

もちろん、見たことがあるという人ももう一度見れば新しい魅力を発見できること間違いなしなので、2度でも3度でも見直してもらいたい。

 

最後に放送10周年おめでとう!!!