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私的「五十円玉二十枚の謎」解答案

今回は「五十円玉二十枚の謎」について私の考えた解答を書いていく。

大きな穴がいくつも存在するが、そこは素人推理ってことで許してもらいたい。

 

 「五十円玉二十枚の謎」とは

解答を書く前に「五十円玉二十枚の謎」の概要について説明しておく。

これは、ミステリ作家の若竹七海さんが立教大学1年生の頃に働いていた書店で実際に起こった出来事にまつわる謎だ。

その書店には、毎週土曜日の夕方になるとやってくる男性がいた。

その男性は、入ってくるとすぐに若竹さんのいるレジに来て五十円玉を二十枚出して、千円札と両替するように言う。

両替を待つ間イライラした風な男性は、両替が終わるとすぐに店を出ていき、本を買ったことはもちろん店内をうろつくことも一度も無かった。

 

さて、この状況に関して解答が求められる謎は以下の4つ

①なぜその男性は五十円玉二十枚を毎週集めることができるのか?

②なぜ毎週土曜日の夕方に両替に来るのか?

③なぜその男性は若竹さんのレジでしか両替をしないのか?

④その男性の目的は何なのか?

 

①については、日常生活において集まりにくい「五十円玉」を「二十枚」も「毎週」集められる理由や方法が謎となる。

②については、決まった曜日の決まった時間帯に必ず両替に来る理由が謎となる。

③については、若竹さんを相手に選ぶ理由が謎となる。

④については、そのまま男性の目的が謎となる。

 

この謎について、過去プロ・アマ含めた様々なミステリ作家の方々が解答を提示しており、書籍になっているものも少なくない。

そして、ミステリ好きの端くれとして私も解答を考えずにはいられなかった。

今から5年ほど前にこの謎に出会い、暇な大学生という身分を存分に生かして3日間も考えた結果たどり着いた答えを、忘れないようにここに書いておく。

 

前提条件

今回の推理にあたって、3つの前提条件がある。

まず、他の方が解答を示す時には「男性が毎週土曜日の夕方に五十円玉二十枚を両替に来る」という状況に対して推理が行われ、場所や時代は全く違うものになっていることが多いが、私の回答ではまさに若竹さんの前に現れた男性を対象として推理を行っていく。

つまり、当時の池袋を舞台としているということだ。

次に、時代を設定するためには若竹さんの当時の年齢を正確に知りたいのだが、恥ずかしながら若竹さんの経歴については明るくないため、大学までストレートで進学した19歳になる年の出来事であったと仮定させてもらう。

若竹さんは1963年生まれとのことなので、1982年に起こった出来事だということで推理を進めていく。

最後に、私はこの謎に関する書籍は「競作 五十円玉二十枚の謎」しか読んでいない。

そのため、既に誰かが出している解答とアイデアが被る可能性があるし、後の書籍で追加された情報によって否定される推理を偉そうに書いている可能性もある。

そんなことがあったらごめんなさい。

 

ボツ推理

本推理前にボツになった推理もいくつか書いておき、それがボツになった理由を示しておく。

男性は偽の五十円玉を本物のお金と交換しに来ていた

この推理では①、④の謎には答えが出る。

この推理は、若竹さんも考えていたが、五十円玉をよく観察しても不自然な点は無かったために違うと思った「競作 五十円玉二十枚の謎」に書いてあった。

ボツの理由を補足すれば、五十円玉は1枚当たりの製造コストが約20円である(①の謎)。

これは造幣局が作った場合の数字であり、規模効果によって製造コストが削減されることを考えると、偽の五十円玉を作る意味は無いと言ってもいいほどの利益しか出ないのではないだろうか。

よって、この推理はボツとさせてもらった。

男性の目的は店員さんのことが好きで会いに来ていた

この推理では①、③、④の謎には答えが出る。

これは「競作 五十円玉二十枚の謎」の中でも考えられており否定されている。

ボツの理由の補足として、まず、若竹さんが働いていたのは土曜日だけではなかったのだから土曜日にのみ来る理由がない(②の謎)。

また、「競作 五十円玉二十枚の謎」でも言われている通り、本屋という店の特性上、本を物色するふりをすればかなりの長時間店内にいることが可能なため、短時間で終わってしまう両替をするのは不自然である(④の謎)。

ただし、男性は若竹さんに触りたかったという可能性もある。

この場合には両替をする必然性はあるが、五十円玉二十枚を千円札にするという両替の方向に違和感が残る。

お釣りを受け取るときのことを考えてもらえば分かると思うが、紙幣を受け取るときよりも硬貨を受け取るときの方が、圧倒的に手が触れる確率が高い。

接触を求める人間の行動としては五十円玉二十枚を千円札に両替するというのは合理的ではないだろう。

よって、この推理はボツとさせてもらった。

男性は本屋の社員で新人店員の接客態度を審査しに来ていた

この推理では①、③、④の謎には答えが出る。

ボツの理由として、毎週土曜日に来る理由がないというものが最初に挙げられる(②の謎)。

また、審査をするとしたら、男性が表れた期間が長すぎるのも問題だ。

男性が表れていたのは4月~7月頃であった。

四半期以上にわたる審査というのはいくら何でも不自然だろう。

よって、この推理はボツとさせてもらった。

 

以上の3つが私が考えたうえでボツとした推理だ。

見落としている要素があるかもしれないため、これらの内どれかが正しい答えの可能性もある。

 

本推理

ようやく私の考えた解答を書く時が来た。

まずは結論から書く。

男性の目的は偽造通貨を本物のお金と交換することだった。

これが答えだ。

これだけだとボツ推理の最初のものと同じに見えると思うので、詳しく説明していく。

 

まず、④の謎について。

これは結論の通りで、両替をすることで本物の千円札を手に入れることが目的だった。

では、五十円玉を調べても不自然な点がなかった点や、五十円玉を偽造して得られる利益は少ないという点についてどのように説明をつければいいのだろうか?

答えは簡単だ。

不自然な点がない以上五十円玉は本物だった。

これ以外に説明のしようがない。

それでは、結論にあった偽造通貨はどこに行ってしまうのか。

これも簡単で、偽造した紙幣を一度両替したものが五十円玉二十枚だったのだ。

これならば利益の問題も解消される。

紙幣の製造コストはその額メインよりはるかに低いことは誰もが知っているはずだ。

今に至るまで多くのニセ札が存在したことがその証拠だと言える。

 

次に②、③の謎についてである。

そこで触れておかなければならないのがニセ札の種類である。

これを求めるのに重要なのが1982年という年だった。

この年は日本の通貨にある変化が起きた年だった。

百円硬貨の発行が始まったのである。

これによって起こる誰にでも想像できる変化がある。

五百円札の流通量の減少である。

流通が少なくなれば、偽造した紙幣を使いにくくなってしまう。

つまり、男性は五百円札の偽造を行っており、使いにくくなる前に本物のお金に換えてしまおうとしていたのではないだろうか。

毎週土曜日の夕方に書店に来ていたのは日ごとにルートを決めて両替を行っていたからだと考えられる。

また、毎回若竹さんのレジで両替を行っていたのは、単純に入口から近いレジだったからだと考えられる。

このようなことをすれば店員に怪しまれる可能性はあるが、実際に若竹さんがそうだったように、偽造通貨を疑っても調べられるのは何の問題もない五十円玉なので問題は無いと考えたのだろう。

そのような不自然な行動をしてまでも両替を行っていたことが、五百円札の流通量が減ることを危惧しての両替だったという推理を補強する材料になるのではないだろうか。

 

最後に①の謎についてである。

五十円玉二十枚はニセの五百円札を一度両替したものだと書いたが、いったいどこで行ったのかという問題が残る。

一度両替を行っているのなら、ニセの五百円札二枚を千円札と交換してもらえばいいのではないかと考える方もいるだろう。

しかし、その五百円札が人相手には使えないものだったとしたらどうだろうか。

ニセ札には人の目をだますために作られるものだけでなく、機械をだますために作られるものも存在する。

そういうニセ札の場合、往々にして人が見れば一発でニセ札だと分かってしまうものなのだ。

男性のニセ五百円札がそういう類のものだったなら、機械で両替を行うしかないのには納得してもらえるはずだ。

同時に、機械で両替をするなら細かくすることしかできないので五百円札二枚を千円札に交換できなかった理由も説明がつく。

 

さて、機械を用いた両替だったとして、どこで行われたのだろう?

その答えを導くために注目したのが「五十円玉二十枚」だ。

なぜ「百円玉十枚」ではないのだろうか?

答えは、両替を行ったのが五十円玉を大量に使用する場所だったからだ。

1982年の池袋で、五十円玉が大量に使用されるような場所、さらに両替機が置いてある場所と言ったら真っ先に思い浮かぶのはゲームセンターだ。

当時のゲームは1プレイ50円のものが多かったため、両替機で五十円玉に崩すことができるようになっていた。

また、当時のゲームセンターは防犯カメラを取り付けている店舗が少なかったため、後になってニセ札の使用が発覚しても足がつかないというメリットもあった。

ゲームセンターの両替機を使えば、五百円札を2回両替するだけで「五十円玉二十枚」が作れるというわけだ。

 

以上で①、②、③、④の謎の全てに一応の説明はついた。

再度結論を書いておく。

男性の目的は偽造した五百円札を本物の千円札と交換することだった。

これが3日間考えて私の出した結論だった。

 

最後に

私の解答はここに書いたが、自分でもはっきり分かる程度に穴はある。

誰か「これは!」という推理を披露してくれる方はいないものだろうか。