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「株式投資」と「株式投資の未来」を読んで

投資を始めて1年が過ぎ、ようやくこの本を読むことになった。

投資を始めた当初に様々なブログやら経済コラムやらを読み漁ったが、その中で頻繁に登場していた本がジェレミー・シーゲル氏の「株式投資」と「株式投資の未来」だ。

今回はこの2冊を読んで感じたことを書く。

 

2冊の共通点

まず、この2冊において共通して主張されている5つのことを書く。

1.株主の利益の源は配当である

言われてみればそのとおりで、株価とはつまるところ将来の配当を割り引いた総額なのだ。

2.高い成長率が高い利回りをもたらすわけではない

いわゆる「成長の罠」というやつだ。

これも考えてみれば当たり前だが、言われないとなかなか気づかないものかもしれない。

3.歴史的に見て株式の平均実質リターンは6.5~7%になる

これに関しては理由は不明とされているが、過去200年という様々な出来事があった中での事実として非常に興味深かった。

4.長期で持つと株式は債券より利回りが良くリスクも低い

これは債券の方が安全という常識とは真逆の事実で、読んでいて一番驚いた部分だった。

5.高配当かつ低PERの銘柄が長期ではS&P500を上回る

これに関しては個別株での実践は無理だろう。

現在はそういうタイプの投資信託ETFも売り出されているので、手数料込みで実際どうなるのか分かるのはこれからということになる。

 

以上の5ついずれも、現在の長期投資家達には基本指針として強く刻まれていることだろう。

特に1~4に関しては株式投資を行う上では投資スタイルに関係なく知っていて損はない情報だと思う。

 

2冊の相違点

次に、2冊の相違点について書く。

といっても、主張自体は2冊とも同じと言っていい。

2冊の差は抽象度合いにあると言える。

株式投資」では通貨の価値の裏付けの変遷なども交えながら、株価の源についてなど抽象的な話が多くを占めている。

対して「株式投資の未来」では具体的に利回りの高かった銘柄についてや、各セクターの利回りについてなど、具体的な話と半々ぐらいになっている。

往々にしてこの2冊が出てくると「株式投資の未来」の方が強く勧められているのは、おそらくこの具体的な話が誰にでも理解しやすく、読み進めやすいからだろう。

実際「株式投資の未来」の方が読んでいて面白かった。

 

ツッコミどころ

この2冊は間違いなく名著ではあるのだが、ツッコミどころも存在する。

私的には以下の3つがそうだった。

1.配当再投資が株主の利益の97%を生み出している

これは恣意的過ぎる。

確かに純然たるキャピタルゲインの生み出した利益は配当を再投資した場合の利益の3%だ。

しかし、それならば純然たるインカムゲインの生み出した利益はどうなのか?

おそらく3%以下だろう。

配当の再投資によって得られる利益も、結局はキャピタルゲインインカムゲインの複合なわけなのだから、この書き方はズルいと言わざるをえない。

2.今後PERの水準は20倍でも正当化できるようになる

これに関しては主張が変っていうよりも仮定に同意できない。

仮定っていうのが「税制が株式に有利なままで、景気循環が穏やかなものである」ってことなんだけど、そんな世界が長く続くとはとても思えない。

人は歴史に学ぶが、その速度はとても遅いと思う。

近年の世界はそれを如実に示している。

人が人である以上、結局は平均(PER15倍程度)に回帰していくんじゃないのと個人的には思う。

3.推奨ポートフォリオ

この2冊では、S&P500インデックスを超えるリターンを出すための様々な戦略について結構なページ数を割いて書かれているのだが、シーゲル氏の推奨ポートフォリオではこの戦略がポートフォリオの50%にしか組み込まれていない。

そこは100%じゃないのかとツッコまずにはいられない。

なんでそこで半分はインデックスなのよってなもんである。

インデックスを下回る時期が必ずあるから、その時の不安減のためって書いてあるけど、半分インデックスじゃない時点でどっちにしろ下回るんだから同じでしょと思う。

 

最後に

ツッコミも入れたけど、必読と言われるだけあって2冊とも内容は素晴らしいものだった。

シーゲル流の信者が多いのもうなずける。

あと、界隈では「株式投資の未来」がよく取り上げられるけど、個人的には「株式投資」の方がいい本だと思った。

株式投資の未来」は結論に向かってストーリーが作られすぎな感もあるのよね。

まあ、どっちを読んでも株式投資がしたくなることは間違いないので、興味があるなら読んでみてほしい。

私もまた読み返すだろう。